千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
公認会計士・税理士事務所仲村公認会計士事務所

過去コラム

後入先出法と単純平均法            

 

 会計上の棚卸資産の評価方法から「後入先出法」が廃止されることが確定し、来年度以降の税制改正の行方に注目が集まっている。
 しかし、過去の税制改正論議や法人税が確定決算主義を採っていることを考えれば、税制上も、後入先出法が廃止されるのは、不可避であるといえよう(現行法令28)。
 最後に仕入れたものから先に出庫されるとものして評価額を計算する後入先出法は、直近の市場動向が販売利益に反映されやすい反面、短期的に市場価格が変動する場合には、他の評価方法に比べて、販売利益が大きくぶれやすい特徴がある。
 この点、会計基準の改正審議では、後入先出法に評価方法としての有用性を認めつつも、国際的なコンバージェンスを優先する形で廃止を決めたとされている(棚卸資産の評価に関する会計基準34-12)。
 一方、税制上は、平成10年の改正審議において、「後入先出法について、課税上これを無条件に認めているのは保守的に過ぎる」(平成8年11月「法人課税小委員会報告」政府税調)として廃止が提案された経緯がある。しかし、当時は、「国際的な市況商品のように価格変動が激しい商品の場合には、後入先出法による方が各事業年度の損益を適正に反映することになる」(同報告)として、廃止は見送りになった。
 また、法人税では、いわゆる確定決算主義の下、別段の定めのあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理に従って課税所得を計算することとされており、「当該事業年度の収益に係る売上原価は、損金に算入すべき額」であるとしている(法法22)。このことからすれば、売上原価の計算基礎である期末棚卸資産の評価方法について、会計上認められていない評価方法をあえて法令に存置する理由もないことになる。
 したがって、税制上の棚卸資産の評価方法から後入先出法が削除されるのは必至であると考えられるのであるが、特に確定決算主義の観点からすれば、後入先出法と同様に、会計上の棚卸資産の評価方法として認められていない「単純平均法」も早晩、廃止されることになるといえよう。
  

           

 
                                 税務通信平成20年11月4日号より










コラム一覧はこちらへ

仲村公認会計士事務所HOME/所長挨拶/業務内容/トッピクス/事務所案内/LINK/お問合せ
プライバシーポリシー / 2004(C) nakamura-kaikei All rights reserved