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債券の保有目的区分変更後の減損損失            

 

 企業会計基準委員会(ASBJ)が昨年公表した『債券の保有目的区分の変更に関する当面の取扱い』では、本来的には認められない“債権の保有目的の取得後変更”を特例的に認めることで、原則的には評価損の追加計上を避けることができるとしている。同取り扱いを利用して、債券の保有目的区分を「その他有価証券」から「満期保有目的債券」へと変更したような場合、それ以後は時価評価を要しないこととなるからだ。
 ただし、満期保有目的債券が時価評価を要しないといっても、その債券の時価が取得原価の50%程度以上まで「著しく下落」し、「回復する見込み」もないのであれば減損処理を行わねばならず(金融商品会計基準20等)、会計上は減損損失を計上することとなるが、その損失は税務上、単純に損金として認められるものではない。
 というのも、仮に債券の保有目的区分変更が税務上認められたとしても、債券のような有価証券の評価損が認められるのは、その有価証券の「発行法人の資産状態が著しく悪化」し、「その価額が著しく低下」した事実がある場合等に限定されているからだ(法法33、法法68@二ロ)。
 具体的に、「発行法人の資産状態が著しく悪化」したと認められるのは、法的整理等があった場合や、期末時点における債券発行法人の1株当たりの純資産価額が、取得時点のそれに比べておおむね50%以上下回ることとなった場合等と定められており(法基通9-1-9)、この点は、債券発行法人が外国法人であっても、基本的には同様の扱いとなる(法基通9-1-10)。
 つまり、債券発行法人が日本企業であれば、上記のような1株当たり純資産価額なども算定できるだろうが、発行法人が外国の投資銀行などであったならば、場合によっては、その算定を容易に行うことができないこともあるため、評価損の損金算入を検討する際には、税務上の要件をクリアできているのかどうか重々注意する必要があるだろう。
  

           

 
                                 税務通信平成21年1月12日号より










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