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上場株式の下落率と評価損            

 

 3月初めの日経平均株価は7,100円台まで下落し、バブル後最安値を記録。昨年5月平均は1万4,300円台だったので、わずか10ヶ月で日経平均株価が半減した計算となる。このため、上場株式の下落率と評価損の関係が気になるところだ。
 税法上では、上場株式等の評価損を計上できる場合として「有価証券の価額が著しく低下したこと」(法令68@二)と定めている。この「著しく低下したこと」については@期末時の価額が帳簿価額のおおむね50%相当額を下回ることA近い将来その価額の回復の見込みがないことの両方を要件として求めている(法基通9-1-7)。
 ここで注意しなければならないのが会計と税務の取扱いだ。期末時の時価が「50%以上」下落した場合、会計上は著しい低下に当たり、基本的に有価証券の評価損を計上しなければならない。税務上においても、上記Aの将来の回復可能性が見込めなければ、有価証券の評価損を計上できるわけだ。
 また、下落率が「30%未満」の場合、会計上は一般的に著しい低下に該当しない“足きりライン”を設けている。税務上も「50%相当額」に満たないので著しい低下に該当しない。つまり会計上も税務上も有価証券の評価損を計上できない。
 ところが、「30%以上50%未満」の上場株式については、注意が必要だ。会計上は、企業の合理的な基準により回復可能性がなければ「著しく低下した」(金融商品会計に関する実務指針91)と判断し評価損を計上する。一方、税務上は通達で「おおむね50%相当額を下回る」と明記しているので、将来の回復可能性の判断はさておき「おおむね50%相当額」に当たらない。
 したがって、下落率が「30%以上50%未満」の上場株式については、会計上と税務上のズレが生じる。税務上は有価証券の評価損を計上できず、申告調整が必要となる点に留意されたい。
  

           

 
                                 税務通信平成21年3月9日号より










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