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特殊支配同族会社と赤字決算           

 

 上場企業の業績悪化の余波を受けて、前期までの業績好調から一転し、今期決算では赤字に転落する中小企業の数が増大すると見込まれている。
 赤字決算が予測される企業では、取引先等からの信頼低下を避ける等の理由で、役員給与を減額し赤字幅を圧縮する動きがあるようだ。その際、国税庁が公表した『役員給与に関するQ&A』により“業績悪化改定事由”(法令69条@一ハ)に該当するケースが明確化したこともあって、損金算入のまま役員給与を減額することがある。
 ただ、役員給与の減額が損金不算入にはならなくても、オーナー社長である中小企業の多くは、特殊支配同族会社に該当するため、社長の給与の一部が損金不算入となる可能性があることを認識しておきたい(法法35条)。
 特殊支配同族会社では、基準所得金額という所得基準が一定額以上となると、社長の給与所得控除額が損金不算入額になる。基準所得金額は、所得や社長の給与等の合計額だが、通常利用するのは「過去」3年の給与等であるため、「今期」の給与等の調整では、損金不算入は免れないからだ(法令72条2のD)。
 例えば、3月決算5月総会で役員給与の決議をする企業が、社長の年間支給額1,800万円(月150万円)について、業績悪化事由で年明け3ヶ月分の月額給与を70万円に減額し、年間支給額1,560万円とした場合、基準所得金額を超えれば、給与所得控除額248万円が損金不算入となる。
 社長の給与所得控除額に相当する損金不算入額計算で使用される金額は、定期同額給与等に該当しない損金不算入となる部分の給与額は対象外である(法法35条@)。仮に業績悪化事由に該当しない減額であった場合、定期同額給与に当たらない部分の金額と、給与所得控除額がダブルで損金不算入となるので、給与の減額は慎重な経営判断が必要とされるだろう。前述の例では、定期同額部分超過額720万円(=(150-70)万円×(10-3)ヶ月)と(役員給与Q&A(Q4))、残額840万円(1,560万円-720万円)に対する給与所得控除額204万円の合計額924万円と損金不算入額は大幅に増加してしまう。
  

           

 
                                 税務通信平成21年4月6日号より










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