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企業再生と債権の評価損           

 

 平成21年度税制改正により法的整理など企業再生に関わるケースでは、金銭債権の評価損の計上ができるようになった。だが、一部には貸倒引当金の計上があるのに、どのような評価損を計上できるのか疑問を持つ実務家もいるようだ。
 従前の法律では、貸付金や売掛金等の金銭債権については資産の評価損の計上対象から除かれていた(旧法法33A)。しかし、税制改正により会社更生法や金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定による更生計画認可の決定、民事再生法の規定による再生計画認可の決定があった場合などは、金銭債権についても評価損の計上対象に含まれることとなった(法法33A〜C)。
 もちろん私的整理ガイドライン、RCCが定める準則や中小企業再生支援協議会が定める準則などの法的整理に準ずる一定の私的整理についても評価損の計上対象に金銭債権が含まれている。
 また、今回の税制改正では、条文上において資産の評価損が計上できるケースを「法的整理の事実」と「物損等の事実」とに分けて整理。物損等の場合に評価損を計上できる対象資産を棚卸資産、有価証券、固定資産、繰延資産と限定列挙している(法令68)。
 ところで、債権の評価損を計上できるケースについては企業再生以外でも可能になったのではないかと見る向きが一部にあるようだが、債権については、会計上において評価損を計上できないことから、税務上においても損金経理ができない。つまり、損金経理要件のある法人税法33条2項では金銭債権の評価損を計上できないこととなるので、債権の評価損を計上できる場合は事実上、損金経理を要件としない企業再生の場合に絞られているといえそうだ。
 なお、貸倒引当金を計上する場合、評価損の計上と同時に繰入限度額まで損金算入することについては、基本的にできないこととなろう。
  

           

 
                                 税務通信平成21年6月29日号より










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