千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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企業再生とDES           

 

 世界的に激震が走った“リーマンショック”から1年が過ぎたが、国内では景気悪化の傷跡が癒えていない。債務超過に陥った企業に対し、金融機関等の債権者の支援の下、DES(デット・エクイティ・スワップ)に踏み切る再生事案は少なくないだろう。
 DESとは、Debt(借金)をEquity(株式)にSwap(交換する)の略で、日本語では「債務の株式化」という。資金の貸し手側は、債権放棄と異なり、債権を株式に振り換える。業績回復により株式価値が上昇すれば投資リターンが期待できるというメリットがある。一方、借り手側は、本来返済すべき借入金が資本金に替わるので、財務内容が大きく改善する。最近は企業再生に関わる場面で活用され、報道でも聞き慣れた言葉となってきた。
 さて、平成21年度税制改正では、企業再生税制の適用要件の範囲にDESが追加された。具体的には、民事再生に準じる私的整理の事実の要件のうち、自己宛債権の現物出資(借入金を株式に交換)を受ける場合も、債務免除と同様に扱われることとなった(法令24の2@等)。
 ここで留意したいのは、DESが債務免除要件となるのは、現物出資(適格現物出資を除く)を受ける債務者側の法人にとって、債務消滅益の発生が見込まれる場合に限られるということだ。一般的にDESを行う企業では、金融機関や親会社、オーナーがそれぞれ経営が悪化した取引先、子会社、オーナー企業に対して活用する場面が目立つ。基本的に債務者側の企業価値が毀損しているので、債務の簿価と時価の差額である債務消滅益が生じるケースが大半であると思われる。
 平成18年5月の新会社法制定で、増加する資本金の額は払込みの額によるとされたため、現物出資の場合は時価相当の資本増加があることになった。これを受け18年度税制改正では、DESを行う際、財産の簿価と時価との差額を債務消滅益として課税する一方、期限切れ欠損金との相殺を認め、債権者側では譲渡損の損金算入を認める等の整理が行われている。
  

           

 
                                 税務通信平成21年9月28日号より










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