千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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無償増資と法人事業税資本割          

 

 周知のとおり、法人事業税(外形標準課税)資本割の課税標準は、「資本金等の額」であるが、平成22年度の地方税法の改正で、その課税標準について「無償減資等があった場合には減資相当額を控除し、無償増資等があった場合には増資相当額を加算する」見直しが行われることとなった(地法(案)72条の21)。
 もっとも、このうち、欠損等のてん補のために無償減資をした場合に、減資相当額を資本割の課税標準から控除する制度は、従来から時限的な特例として認められていたものを地方税法の本則で恒久化するものであり(現行地法附9CK)、実質的な改正とはいえない。そのため、無償減資という言葉に馴染みがあっても「無償増資」と聞いてピンとこない実務家も多いのではないだろうか。
 増資といえば、通常は、資金調達として行う有償増資が一般的だろう。有償増資では、株主から金銭等の払込みによって会社資産が増加することになるが、無償増資は、金銭の払込みはなく、純資産の中の準備金などを資本金に組み入れて資本金を増やすしくみだ。
 この点、平成21年の会社計算規則の改正で、従来、認められていなかった利益準備金やその他利益剰余金の資本金への振替えが可能となり(利益の資本組入れ)、資金調達の必要はないが、入札資格を得るために資本金額を増やしたいという中小企業等で利用されることが想定されている。
 今回の地方税法の改正でいう無償増資とは、この利益の資本組入れを指すと考えられており、このような増資を行えば法人事業税の資本割の課税標準は、増資相当額だけ増えることになる。一方で、利益の資本組入れによって資本金額そのものが増えても、法人税法上、「資本金等の額」自体は変わらず法人税の課税所得や税額にも影響を与えない。これは、会社法対応の平成18年度税制改正によって、『準備金の額若しくは剰余金の額を減少して資本金等の額を増加した場合、増加額相当額を資本金等の額から減少する』とされているためだ(法令8十四)。
 なお、無償増資によって、資本割の課税標準が増えるのは、平成22年4月1日以後に無償増資を行った場合からとされており、平成22年4月1日以後開始事業年度からではない点にも留意したい。
  

           

 
                                 税務通信平成22年3月22日号より










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