千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
公認会計士・税理士事務所仲村公認会計士事務所

過去コラム

親会社による罰科金の肩代わり          

 

 買収・合併等が会社の重要な経営戦略となっている近年においては、企業間に新たな親子関係が生じることは珍しいことではない。親会社は子会社に対して人材や資金面などで支援することになるが、子会社が不正行為等で国などから罰科金を支払うよう命じられた際に、親会社が支払を負担することがあるようだ。
 ここでいう、罰科金とは不正行為を行った企業などから、制裁として国などが一定の額の金銭を徴収する罰金や科料などを指す。例えば独占禁止法違反や、金融商品取引法違反などが挙げられる。法人税法上、罰科金に係る費用を損金算入できるとすれば、その分だけ制裁効果が薄れてしまうため、全額損金不算入とされている(法法55C)。
 したがって、罰科金を科された子会社自体が支払った場合、もちろん全額損金不算入となるわけだが、親会社がその一部又は全額を子会社の代わりに負担した場合には、本来子会社が負担すべきものを親会社が負担しているため、基本的にはその負担した費用分だけ子会社に対する寄付金に該当するようだ(法法37@)。そのため、親会社が負担した費用については、限度額を超えた金額部分が損金不算入となる。
 しかし、子会社等を整理・再建するために損失負担等をした場合、相当な理由があると認められれば、供与した経済的利益の額は寄付金には該当しないという取扱い(法基通9-4-1、9-4-2)があることから、子会社に科された罰科金の金額が大きすぎて子会社の存続が危ぶまれるような場合には、親会社が負担した金額は寄付金に当たらないということも考えられる。
 また、外国子会社等に対して支出した寄付金は、その全額が損金不算入となるほか、平成22年度税制改正により、本年10月1日以後は法人間に、法人による完全支配関係がある場合、寄付金にあたる金額は全額損金不算入となる(措法66の4B、法法37A)。
 もっとも、罰科金が企業グループ全体に対して科される場合には、そもそも親会社自身が支払うべきものといえるケースもあるだろうし、親会社が肩代わりしたとしても、それが寄付金に該当するかどうかという点も含めて、個々の事情による事実認定の問題といえるようだ。
  

           

 
                                 税務通信平成22年5月31日号より










コラム一覧はこちらへ

仲村公認会計士事務所HOME/所長挨拶/業務内容/トッピクス/事務所案内/LINK/お問合せ
プライバシーポリシー / 2004(C) nakamura-kaikei All rights reserved