千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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DIP型会社更生       

 

 大手消費者金融の破綻に際して、通常の「会社更正」手続きではなく、「DIP型会社更生」手続きで事業再生を図るとされたことについて、注目が集まっている。
 「DIP型会社更生」とは、会社更生法を利用しやすくするために数年前から導入された新しい更正手続きのこと。DIPとは“Debtor In Possession”の略語で、占有継続債務者を意味する。
 通常の会社更正手続きでは、例えば現経営陣の退陣や100%減資などが行われ、その後の経営権は裁判所に選任された弁護士等が握るのが一般的だ。これに対して、「DIP型会社更生」では、必ずしも現経営陣の退陣や100%減資を行う必要はない。現経営陣に違法な経営責任の問題がないこと、現経営陣が残留することについて主要債権者やスポンサーの了承を得ていることなどの要件をクリアしている場合には、その現経営陣の一人を裁判所が管財人に選任することで、現経営陣の一部又は全員が残留することも可能となる。「DIP型会社更生」は、通常の更生手続きと比べ、弾力的な手続きといえる。
 もっとも、「DIP型会社更生」という更正手続きは、会社更生法の改正や、その他の制度創設などに伴って導入されたものではなく、あくまでも会社更生法の枠組みの中で、司法当局において運用面で弾力化された手続きに過ぎない(東京地裁判事が連名で、法律専門誌に「DIP型会社更生」に係る論文を掲載したことが導入の契機になったと言われる)。
 このため、更正手続きの事実を適用要件とする法人税法上の各種規定は(例えば期限切れ欠損金の利用や資産の評価損益の計上など)、運用面で通常の「会社更生」手続きを行ったのか、「DIP型会社更生」手続きを行ったかどうかなどに関係なく、適用されることとなる。
  

           

 
                                 税務通信平成22年10月25日号より










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