千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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ベスト・メソッド・ルール       

 

 23年度の税制改正大綱に、移転価格税制の見直しで、独立企業間価格の算定方法について、基本三法を優先させる方式を廃止し、独立企業間価格を算定するために最適な方法を事案に応じて選択する仕組みに改正することが明記された。
 この改正はOECD移転価格ガイドラインの改定等に伴うものだが、移転価格税制を執行する課税当局にとって、事務負担が軽減される改正になるのではないかと予想される。
 移転価格税制は、企業が海外の関連企業との取引価格を操作することによる利益移転を防止するため、海外の関連企業との取引が第三者間の取引価格(独立企業間価格)で行われたものとみなして所得を計算し課税する。
 よって、移転価格税制を執行する課税当局は、「独立企業間価格」を算定する必要があるが、現行制度では、まず「基本三法(独立価格比準法、再販売価格基準法、原価基準法」と呼ばれる方法により「独立企業間価格」を検討しなければならず、「基本三法」を用いることができない場合に限り、「基本三法」に準ずる方法等を用いることができる(措法66C)。
 「基本三法」の適用に際しては、「独立企業間価格」の算定を行う取引と類似する比較対象取引を探す必要があるが、多様化する国際取引において類似する比較対象取引を探すことは困難であり、移転価格税制を執行する上で負担となっていた。
 23年度税制改正では、この価格算定方法の適用優先順位が廃止され、平成23年10月1日以後に開始する事業年度から、「基本三法」に縛られない「独立企業間価格」の算定が可能になる。
 これにより、現行制度においては不可欠とされる、最適な価格算定方法を選定するまでの「基本三法」の妥当性の詳細な検討が今後は不要となる。
 また、納税者に求められる文書化にも同様のことが言える。
 既にアメリカでは、独立企業間価格を算定するために最適な方法を事案に応じて選択する仕組みとして、「ベスト・メソッド・ルール」と呼ばれる制度が導入されているが、今回の改正で見直される仕組みも、それに近い制度になると思われる。
  

           

 
                                 税務通信平成23年1月10日号より










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