千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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被災者への自社製品による寄付      

 

 現在、日本中から被災者に対する義援金が集まっているが、法人が寄付をする場合は金銭だけでなく、自社製品を被災者に無償で提供することもあるようだ。
 通常、自社製品を無償で提供した場合、その費用の額は寄附金に該当することとなる。しかし、法人が不特定多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用の額は、既存の取扱いでも寄附金の額に該当しないとされている(法基通9-4-6の4)。つまり、被災者に対して無償で提供した自社製品の費用の額は、全額損金の額に算入できるということだ。
 法人が行う被災者に対する自社製品の無償提供は、人道的見地や社会的要請に基づき行われているものであることから、一定の損金算入限度額が設けられている一般の寄附金と同様に取り扱うことは、実態にそぐわないと考えられる。よって、交際費等に該当するごく限られた者のみに対する利益供与を目的としたものを除き、全額損金の額に算入することが認められている。
 厳密にいえば、無償で提供した製品に係る費用の額については、災害支援費などとして、費用計上することが、会計上、正確な処理といえるだろう。しかし、実務上は、期末の棚卸資産の評価時に、無償で提供した製品の費用の額を売上原価に算入することで損金とすることが一般的なようだ。
 例えば、時価が1,000円の棚卸資産を1,000個無償で提供した場合、売上原価を計算する際に、無償で提供した製品100万円分だけ期末棚卸高が減るため、その分、売上原価の額が増加することとなる((期首棚卸高+仕入高)−期末棚卸高=売上原価)。したがって、売上高から売上原価を差し引いた売上総利益が少なくなり、その分だけ税負担が減少するわけだ。
 なお、物品ではなく、被災者に対する緊急的な無償の役務の提供(通信業務など)についても、その費用の額は寄附金の額に該当しないこととなる。  

           

 
                                 税務通信平成23年3月28日号より










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