千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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適格現物分配と残余財産の分配      

 

 平成22年度税制改正では、100%グループ内の法人間で現物分配を行った場合に資産の譲渡損益を繰延べるとした「適格現物分配」制度が創設されたが、この範囲には、100%子会社から「残余財産の分配」を受ける場合も含まれる。
 これは、適格現物分配(法法2十二の十五)を包含する「現物分配」(法法2十二の六)の範囲に、「解散による残余財産の分配」を含むとされているからだ(法法2十二の六ロ、法法24@三)。
 このため、例えば100%清算子会社から親会社へ“含み益”のある土地を「残余財産の分配」により移転する場合は、簿価譲渡になるため、親会社側では簿価で取得したこととなり(法法62の5E、法令123の6@)、みなし配当が生じても、その分は益金不算入となる(法法62の5C)。子会社側においても、簿価譲渡となるため売却益は生じず(法法62の5B)、みなし配当に係る源泉徴収義務も生じない(所法24@カッコ書き)。「残余財産の分配」をした段階では、法人税の面で、親子会社ともに、税負担は生じないわけだ。
 ちなみに、消費税の面でも税負担は生じない。残余財産の分配は、現物分配と同様に対価性のある取引とは言えず、消費税の課税対象にならないからだ。
 なお、会社法上、「現物配当」(=剰余金の配当)と「残余財産の分配」は別々のものと区分されているにも関わらず(会社法509@二、454C)、法人税法上は「現物分配=残余財産の分配」とされているが、これは会社法上の「現物配当」よりも、法人税法上の「現物分配」のほうが幅広いからだと考えられているようだ。また、会社法上、株式会社の純資産額が300万円を下回ってしまう「剰余金の配当」を禁止しているが(会社法458)、「残余財産の分配」を行う場合には、この300万円基準は適用されない。

           

 
                                 税務通信平成23年5月16日号より










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