千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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貸倒れに係る消費税額の控除      

 

 東日本大震災の影響で、被災地にある取引先企業に対する売掛債権などについては、貸倒れが生じることが予想されるが、法人税法上、一定の要件を満たす貸倒れが生じた場合には、その金額を損金に算入できることとなる。他方、消費税法上でも、課税事業者が課税資産の譲渡等を行って、その売掛債権について一定の貸倒れが生じた場合は、その貸倒れが生じた日の属する課税期間において、消費税額を控除できる(消法39)。
 法人税法上の一定の貸倒れと、消費税法上の一定の貸倒れの要件は同様である。民事再生法等に基づく法律上の貸倒れ、事実上の貸倒れ、形式上の貸倒れ(消令59、消規18)、いずれかに該当すれば、法人税法上は貸倒れが生じた金額を損金に算入、消費税法上は貸倒れが生じた課税期間の課税標準(その課税期間における課税資産の譲渡等の対価の額)に係る消費税額から貸倒れが生じた売掛債権に係る消費税額を控除できる。
 例えば、売掛金21万円(税込み)について貸倒れが生じた場合、21万円×105分の4=8,000円を貸倒れが生じた課税期間の課税標準に係る消費税額から控除できる(地方消費税相当8,000円×25%=2,000円を合わせた合計1万円分だけ、納税額が減額される)。かりに、翌課税期間において、売掛金を回収できた場合、回収金額に係る消費税額をその課税期間の課税標準に係る消費税額に加算することとなる。
 貸倒れに係る消費税額の控除を受けるには、貸倒れが生じたことを証する書類(民事再生法に基づく再生計画認可の書類など、客観的に貸倒れが生じたことがわかる書類)を、その課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間保存しておく必要がある(消規19)。
 ただし、売掛債権ではなく、金銭の貸付債権について貸倒れが生じた場合、法人税法上は、損金算入の対象となるが、消費税法においては、金銭の貸付けは不課税取引であるため、金銭債権について貸倒れが生じたとしても、貸倒れに係る消費税額の控除の対象とはならない。
 なお、課税事業者が、免税事業者であった課税期間に係る売掛債権について、貸倒れが生じた場合は、税額控除の対象とはならない(消基通14−2−4)。

           

 
                                 税務通信平成23年5月23日号より










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