千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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条約議決に係る衆議院の優越      

 

 大企業を中心に注目を集めている香港、サウジアラビア、ケイマン、バハマとの租税協定等が5月24日に衆議院で成立、同日に参議院でも受理されたが、仮に国会のねじれにより参院で議決が行われなかったとしても、改正法案のように再度衆院に送り戻されることはなく、そのまま参院で、第177回国会の会期終了日である平成23年6月22日までに自動成立する(国会の承認を得る)こととなる。
 これが、憲法第60条で規定する「予算(条約)議決に関する衆議院の優越」だが、同法では、参院で租税協定等が“議決されなかった”場合に限らず、参院で“否決された”場合にも同様の扱いとしている。
 同法第2項で、「参議院で衆議院と異なった議決をした場合に…両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき」には、衆院での議決を国会での議決として扱うとしているからだ。つまり、仮に租税協定等が参院で否決され、両院協議会を開催したにも関わらず意見が一致しないのであれば、その旨が報告された日に自動成立する。条約は予算に準じたものとされているため(憲法61)、どのような状況であったとしても、改正法案より早く成立する仕組みとなっている。
 もっとも、今回のように、参院受理日・5月24日を起算日として数えた30日目が、ちょうど国会の会期終了日・6月22日となるようなケースは珍しいようだが、両院で意見が一致せず、自動成立となった例は過去にもある。直近で言えば、米軍のグアム移転関連条約や(第171回通常国会、議案番号1)、日米安保条約関連の条約(第169回通常国会、議案番号1)などがこれに該当する。
 なお、香港租税協定については、先述のように日本では6月22日までに国会の承認を得るが、香港側ではいまだ成立していない(平成23年6月6日現在)。ただ、香港側の政局は混乱していないようなので、早ければ、平成24年1月1日に新協定がスタートするものと見込まれている。

           

 
                                 税務通信平成23年6月20日号より










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