千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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震災による機械装置の移設費

 

 東日本大震災の影響で、東北の工場を閉鎖して生産機能を他の工場に移す企業もある。工場自体は被災して損壊したため閉鎖しても、その工場の機械装置のうち、使用できるものについては他の工場に移して利用することがあるようだ。
 機械装置を移設することにより、結果として、生産効率の向上等につながった場合、集中生産等のための機械装置の移設として、移設費用をその機械装置の取得価格に算入しなければならないのではないかと考える向きもあるようだ。
 しかし、この場合、あくまでも、会社が積極的に生産の効率化を図ることを目的として移設させているわけではないため、基本的には集中生産等の取扱いには該当せず、その移設費用は一時の損金とすることができるようだ。
 通常、機械装置の移設費用は、維持管理の費用といえるため、修繕費として一時の損金とすることができる(法基通7−8−2)。しかし、生産効率等を向上させようと、集中生産又はよりよい立地条件において生産することを目的に、会社が積極的に機械装置を他に移した場合、機械装置をより効率的に活用させるために移設させるもので、ひいては機械装置そのものの使用価値が高まると考えられる。
 そのため、こうした移設費用は資本的支出に該当するものとして、運賃や据付費等の移設費用をその機械装置の取得価格に算入し、機械装置の移設直前の簿価に含まれている旧据付費は、損金の額に算入する(法基通7−3−12)。
 ただし、移設費用が、機械装置の移設直前の簿価10%以下である場合は、旧据付費を損金の額に算入せず、移設費用を損金の額に算入できる。
 この取扱いの趣旨からすると、被災した工場を再開することが困難であるため、やむを得ず、他の工場に機械装置を移しているだけである場合は、結果として、生産効率が向上したとしても、それを目的に、積極的に機械装置を移設させたわけではないため、一時の損金として取り扱われる。

           

 
                                 税務通信平成23年7月25日号より










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