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推定規定とみなし規定

 

 法令上の慣用語である“みなす”と“推定する”は、似たような意味を持つ言語だが、反証の可否という点で、大きく異なるものだ。
 『…とみなす』とされている“みなし規定”とは、本来は異なる扱いとなるものを法令上、同じものとして扱うこととなるため、たとえ、前提としている事実とは異なる事実、つまり反証があったとしても、絶対的なものとして取り扱われる。
 一方、『…と推定する』とされている“推定規定”とは、反対の事実や証拠がない限り、ある事柄について法令上は一応このように取り扱うということで、その事柄と異なる事実があれば、つまり、反証があれば、その事実に従う取扱いとなる。
 “みなす”と“推定する”の規定の意味を端的に示している裁決事例がある。
 不動産の賃貸業を営む請求人が、賃貸人等から受け取った借地権の更新料について、地代の年額20倍超であったため、請求人は譲渡所得に当たるとしたが、審判所は、更新料が土地の更地価格の10分の5以下である場合には、たとえ、その金額が地代の年額の20倍を超えていたとしても、請求人が受領した更新料は不動産所得であると認定し、請求人の主張を棄却した事案だ(平11.3.23裁決事例集No.57 75頁)。
 譲渡とみなされる行為を規定している所得税法施行令79条の第1項では、地主が受け取った借地権の設定に係る対価(以下、対価)が、その土地の価格の10分の5に相当する金額を超えるときは、資産の譲渡と“みなす”旨が定められており、同条第3項では、対価が地代の年額の20倍以下である場合、資産の譲渡には当たらないものと“推定”する旨が定められている。
 第3項では、対価が地代の年額の20倍以下である場合、みなし譲渡には当たらないと“推定する”とされているため、20倍超であるという反証があれば、その事実に従ってみなし譲渡に当たるということができる。
 だが、第1項で、対価が土地の価格の10分の5を超える金額である場合、資産の譲渡と“みなす”と、絶対的な取扱いとなっており、第3項はあくまでも、第1項のみなし譲渡に当たるか否かを判定する上での推定規定であるため、第1項により、譲渡とみなすか否かを判定できる場合、第3項の推定規定の適用余地はなくなるわけだ。

           

 
                                 税務通信平成23年11月28日号より










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