千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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新たな罰則規定の創設

 

 平成23年度税制改正では、租税罰則の見直しとして“故意の申告書不提出によるほ脱犯”と“消費税の不正受還付罪の未遂罪”が創設されている。
 “故意の申告書不提出によるほ脱犯”の創設により、税を免れる意図があり、故意に申告書を提出しなかった者に対する罰則が強化され、“消費税の不正受還付罪の未遂罪”の創設では、消費税の不正還付を“受けようとする者”を処罰することが可能となるなど処罰できる者の対象が拡大された。
 “故意の申告書不提出によるほ脱犯”については、改正前は、例えば、FX取引等による高額な所得がありながら、納税を免れるため故意に申告を行わない等の悪質なケースであっても、赤字法人などが無申告の場合等と同様に「故意の申告書不提出犯(単純無申告犯)」として1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されていた。また、悪質なケースでありながら、不正工作等がないため、「脱税犯」として10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処すことはできなかった。
 今回の改正で、税を免れるため故意に申告書を提出しなかった者に対しては、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処すこととなるなど(直接税と消費税の場合、所法238B等)、処罰の内容としては、「故意の申告書不提出犯」と「脱税犯」の中間の罰則として従来より重い処罰となっている。
 “消費税の不正受還付罪の未遂罪”については、改正前は処罰規定がなく、不正還付を“受けた者”(既遂)に対する処罰規定のみ設けられていた。例えば、消費税の課税事業者が架空の資産を大量に仕入れたかのように装い、実名で不正還付を受けようとしたものの、税務署側が不正に気付き還付を行わない場合などは、不正を把握しているにも拘わらず、実際に不正還付を受けておらず、未遂罪の規定もなかったため処罰されなかった。
 また、借名で不正還付申告が行われた場合は詐欺未遂罪として処罰されるものの、実名で不正還付申告を行った場合は処罰されず、処罰の不均衡が生じていたことなどから、今回の改正では、不正な還付申告書を“提出した時点”で、既遂罪同様、10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処すこととされている(消法64A)。
 なお、両罰則ともに、平成23年8月30日以後にした違反行為から適用されている。

           

 
                                 税務通信平成23年12月6日号より










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