千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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重加算税の賦課要件

 

 税務申告では、期限内の申告が過少申告や無申告であった場合に、隠ぺいや仮装の事実があれば重加算税が課せられるが、例えば、架空名義の利用などといった積極的な隠ぺいや仮装の事実がなくとも、同等に評価すべき行為等が存在すれば、個々の事情を総合勘案し、重加算税が課せられるケースがある。
 そもそも重加算税は、期限内申告書の金額が過少で修正申告又は更正される場合等に課せられる過少申告加算税や、期限までに申告書を提出せず期限後申告又は決定される場合等に課せられるもので、隠ぺい又は仮装の事実がある場合が賦課要件とされている(通法65、66、68@A)。
 「申告所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」では、隠ぺい又は仮装に該当する場合の例示として、二重帳簿の作成や帳簿書類の隠匿、虚偽記載などが挙げられている。
 一般に、重加算税の賦課要件を満たすか否かは、通則法や事務運営指針に沿って判断されるわけだが、最高裁判決で、隠ぺいや仮装と評価すべき行為等の存在が、重加算税の賦課要件を満たすと判断された事例がある。
 この判例は、納税者が、株式等の売買による多額の雑所得の申告を認識しながら過少申告していたことに対し、裁判所が、請求人の行動を総合勘案し、賦課要件を満たすとしたものだ(最判平7.4.28)。
 判決では、賦課要件を満たすと判断した理由に、申告書の作成を顧問税理士に依頼した際、同税理士から株式等の売買による雑所得の有無を問われ、資料提出を求められたにも拘わらず、同税理士に雑所得の存在を秘匿、資料も提出せず、過少な申告書を作成させたことなどを挙げている。
 これらは架空名義の利用などの積極的な隠ぺいや仮装ではないものの、過少申告を意図し、その意図を外部からもうかがいうる特段の行動をした上で行われたものであるため、隠ぺいや仮装と同等に評価でき、重加算税の賦課要件に当たると判断されたわけだ。
 なお、直近の裁決事例では、この最高裁判決を基に、無申告のケースで、隠ぺいや仮装と同等に評価でき、重加算税の賦課要件を満たすと判断された事例があり、国税不服審判所HP上で公表されている(平23.6.3裁決)。

           

 
                                 税務通信平成24年2月6日号より










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