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休止状態の電話加入権と評価損

 

 電話加入権とは、NTTの電話回線を利用する権利のことで、固定電話に加入する際に必要となるものだが、昨今、従来の電話回線よりも利用料金が安いインターネット回線を用いて固定電話を利用することが増えている。この場合、電話回線は使用しないため、電話加入権は休止状態となる。
 長期にわたり電話加入権を休止している場合には、企業会計上、減損損失を計上していることもあるようだが、税務上、評価損を計上することはできない。
 企業会計上は、資産の経済的価値が減少した場合などに減損損失を計上することになるが、税務上は、原則、資産の評価損の計上は認められておらず、物理的な損傷を受けるなど、一定の事由に該当する場合にのみ認められている(法法33@、A)。
 電話加入権は無形固定資産に該当するが、固定資産の評価損の計上事由は、@災害により著しく損傷したこと、A一年以上にわたり遊休状態にあること、B本来の用途に使用できないため他の用途に使用されたこと、C所在する場所の状況が著しく変化したこと、Dこれらに準ずる特別の事実、のいずれかが生じた場合とされている(法令68@三)。
 だが、単にこれらの事実が生じたことをもって、評価損を計上することはできず、“いずれかの事由が生じたことにより資産の価額がその帳簿価額を下回ることとなった”場合に限り、評価損の計上が認められることになる(法令68@)。
 1年以上の長期にわたり電話加入権が休止状態であれば、Aの事由に該当し、評価損を計上できると考える向もあろうが、電話加入権は現在、中古取引市場では数千円程度で取引されるなど、すでにその価値は著しく低くなっており、1年以上遊休状態であったことを理由にその価値が下がるわけではない。よって、評価損を計上することは認められないだろう。
 経済的事情による価値の下落は評価損の計上事由に当たらないため、平成17年にNTTが電話加入権を7万2,000円から3万6,000円に値下げした際も、評価損の計上は認められなかった。
 現時点において電話加入権における損失を計上するには、解約、又は売却するほかないだろう。

           

 
                                 税務通信平成24年6月4日号より










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