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販売奨励金と対価の返還等

 

 携帯電話業界でかつて、いわゆるゼロ円ケータイが多く出回ったのは、メーカーから販売店に「販売奨励金」が支払われていたためで、業界によっては現在も行われている取引慣行である。
 販売奨励金とは、メーカーが小売店に対して自社商品の販売を奨励するために、小売店の自社商品の販売数等に応じて支払う金銭のこと。小売店からすれば、販売奨励金を貰うことで、メーカーからの“仕入れ値”と値引きしている“店頭価額”の差が補てんされる仕組みだ。
 販売奨励金を支払った場合は、消費税法上、納付消費税額を計算する上で、その課税期間の売上げに係る消費税額から販売奨励金に係る消費税額を控除することになっている(消法38)。
 これは、販売奨励金が、返品によって支払う代金等と同様に、「売上に係る対価の返還等」とみなされるためである(消基通14−1−2)。
 「売上に係る対価の返還等」とは、返品や値引きに伴う取引先への返還代金などが代表的なもので、当初の取引に係る売上と“対応”関係のある金銭の支払いは、売上の一部から返還するということで、返品や値引きによって売上を修正する行為といってもよいだろう。
 そうすると、販売奨励金は、当初の取引でメーカーが受ける売上と、その前提の上で小売店の販売数等に応じて支払われる金銭との間に“対応”関係があり、売上の一部を販売奨励金として小売店に返還する行為とみなされることになる。
 ただし、販売奨励金の支払いは、小売店が値引きやキャンペーンなどといった商品の販売促進に努めてくれたことに対する「役務提供の対価」とも考えられるし、また、ケースによっては寄附や交際費に該当することもありそうだ。
 対価の返還等に該当する販売奨励金の支払いと認められるには、“対象商品の販売数等に応じて支払われる金銭”でなければならない。メーカーと小売店の間で契約書を作成することは要件とはされていないが、事前に「何台売ればいくら販売奨励金を支払う」といった具体的な契約内容を書面で残しておくことが望ましいだろう。

           

 
                                 税務通信平成24年8月6日号より










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