千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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分割ファクター

 

 移転価格課税における独立企業間価格の算定方法の一つに「寄与度利益分割法」がある。
 寄与度利益分割法とは、法人と国外関連者の利益を合算し、これを利益への寄与程度(貢献度合い)に応じて再配分するもの。売上から、再配分された利益などを差し引くことにより、最終的に独立企業間価格(適正な仕入原価)を求める。つまり、寄与度利益分割法を適用する場合、合算利益の再配分の基となる寄与度を測るためにどのような費用を用いるかが重要となるわけだが、この費用を“分割ファクター”(分割要因)という(措令39の12G)。
 しかし、分割ファクターにどのような費用を含めるべきかという点で問題になることもある。分割ファクターについては、取扱い上では、「取引の内容に応じ…人件費等の費用の額、投下資本の額等…利益の発生に寄与した程度を推測するにふさわしいものを用いる」と定めているに過ぎず、形式的な判定基準などがあるわけではないからだ(措通66の4(5)−2)。
 もっとも、実務の上では、“利益に対する貢献度が最も高い費用”を分割ファクターとして用いることが基本と考えられており、これは業種・業態などによって異なる。
 例えば、メーカーと国外関連者の利益を合算し、これを利益への寄与度に応じて再配分する場合、その利益の分割ファクターとしては「人件費と減価償却費」等を用いることが一般的のようだ。国税庁が公表している『移転価格税制の適用に当たっての参考事例集』でも、製造業者の場合、分割ファクターとして人件費と減価償却費等を用いることが適切であるとする旨の事例を紹介している。
 ただし、メーカーの収益の源泉が特許や技術力等である場合には、分割ファクターとして「人件費と減価償却費と研究開発費」等を用いることもあるだろう。一方、卸売業者の場合は、分割ファクターとして「販売管理費」等を用いるべきであるとされた判決もある。
 その他、サービス業者の場合は、分割ファクターとして「人件費」等を用いることが一般的のようだが、場合によっては、「人件費と広告宣伝費」等を分割ファクターにすることも考えられるだろう。

           

 
                                 税務通信平成24年9月3日号より










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