千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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取引先の破産と貸倒損失

 

 取引先が破産手続開始を裁判所に申し立てた場合、その取引先に対する金銭債権の50%相当額を貸倒引当金として損金算入できるが(法令96@三)、平成24年4月1日以後開始する事業年度から、貸倒引当金制度の適用対象が、銀行など一定の業種等と資本金1億円以下の中小法人に限定された(経過措置として、平成24年〜27年の間に繰入限度額を段階的に縮減して、廃止される)。
 そのため、貸倒引当金制度の対象外となる法人は、取引先が破産を申し立てただけでは損金算入できず、通常、破産手続が終結した際に、その金銭債権の全額を貸倒損失として損金算入することになる。
 このほど法令改正に対応した改正法人税基本通達が公表されたが、貸倒損失の取扱いに変更はなく、従前どおり、“法律上の貸倒れ”、“事実上の貸倒れ”、“形式上の貸倒れ”、いずれかの事由に該当すれば、貸倒損失の計上が認められる。
 破産による貸倒損失は、債務免除をした場合を除き、法律上の貸倒れ(法基通9−6−1)には当たらず、通常、事実上の貸倒れ(法基通9−6−2)に該当する。この取扱いは“債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合”に損失を計上できるもの。
 破産手続が終結するまで相当の期間がかかり、破産管財人から弁済不能であることを確認しているなど債権を回収できないことが明らかな場合は、破産終結前でも、貸倒損失を計上できるようだが、一般的には、破産手続が終結したときに計上することになろう(平成20年6月26日裁決等)。
 実際には、債務の弁済がされないまま破産手続が終結することが多いようだが、債務者が破産手続を申し立てたというだけでは、貸倒損失は計上できないということだ。
 破産手続の終結を待たずとも、債務者との取引停止後一定期間が経過しても弁済がない場合、形式上の貸倒れ(法基通9−6−3)に該当することもあろうが、この取扱いにおいては、帳簿上に備忘価額が残り、債権として管理する手間がかかるため、破産による貸倒損失を計上する際には、事実上の貸倒れの取扱いが適用されることが多いようだ。

           

 
                                 税務通信平成24年9月24日号より










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