千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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弁護士費用の着手金と課税仕入れの時期

 

 会社が事業を行っていくうえで、取引先のトラブルが起きることもある。こうした場合、弁護士に訴訟の提起を依頼せざるを得ないこともあろうが、訴訟に伴う弁護士費用は、まず、訴訟を提起する前に着手金を支払い、勝訴した場合には、成功報酬としてさらに金銭を支払うことが一般的なようだ。
 訴訟の着手金は、弁護活動という弁護士による役務提供が行われる前に支払われるものであるため、弁護を依頼した時点においては、まだ課税仕入れは生じていないと考えられるが、この着手金は、いわゆる手付金や成功報酬の前払金でもなく、敗訴しても依頼人に返還されるものでもないため、通常、弁護を依頼し委任契約が成立した課税期間に、課税仕入れとなるようだ。
 一般的に、裁判が終結するまで相当期間かかるわけだが、着手金については、裁判が始まる前に課税仕入れとなり、成功報酬はその裁判が終結した後に課税仕入れとなろう。
 消費税法上、仕入税額控除の対象となる国内における課税仕入れがいつ行われたものであるかは、資産の譲受けや役務の提供を受けた日で判断する。弁護活動は、役務の提供に該当するため、役務の提供を受けた日とは、訴訟が終結した日と解することもできよう。そのため、着手金についても、訴訟が終結した課税期間の課税仕入れになると考える向きもあるようだ。
 だが、課税仕入れを行った日とは、個別の取扱いがない限り、資産の譲渡等の取扱いに準ずるとされ(消基通11−3−1)、原則、所得税、法人税における資産の取得時期、又は費用等の計上時期と同一となる。この点、所得税法上においては、弁護士が収受する着手金は、弁護活動における委任契約が成立した際に、収入金額に計上すると判断されている(東京地裁 平成20年1月31日判決言渡 平成17年(行ウ)第395号)。
 よって、弁護士に支払う着手金については、消費税法上も、弁護の委任契約が成立した課税期間における課税仕入れとなるようだ。

           

 
                                 税務通信平成24年10月22日号より










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