千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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有価証券の取得と付随費用

 

 有価証券を取得した場合の「付随費用」の取扱いは、税務と会計で概ね一致している。すなわち、「税務上」は、法人税法施行令119条1項、「会計上」は、金融商品会計に関する実務指針(JICPA)の56項において、有価証券の取得に係る一定の「付随費用」(例えばデューデリジェンス費用等)は「取得原価」に含めることが明らかにされており、基本的に調整は不要となっている。
 ところで、企業会計基準委員会が9月13日に公表した「改正企業結合会計基準」では、企業結合における「取得関連費用」(M&A等に際して外部のアドバイザーなどに支払ったデューデリジェンス費用等)の取扱いが改正されているが、この改正により税務と会計に不一致が生じることを懸念する向きもあるようだ。すなわち改正により、これまで「取得原価」に含めていた一定の取得関連費用は発生した事業年度の「費用」として処理することになるが、これにより有価証券の取得に係る付随費用も「費用処理」になる(従って税務と会計が一致しない)のではという懸念だ。
 結論からいうと、有価証券の取得に係る付随費用の取扱いは従来と変わらず、税務・会計は基本的に一致する。というのも、この取得関連費用の取扱いは、資産の「取得」一般に適用されるものではなく、企業結合会計上の「取得」という限られたケースにのみ適用されるものだからだ。税務と関係する単体財務諸表において有価証券を取得した場合には、それにより当該企業の支配を獲得したとしても企業結合上の「取得」に該当しない(取得原価の算定、配分、のれんの計上など一連の会計処理を行わない)ため、これまで通り、金融商品実務指針が適用されることになる。
 ただし、この場合、連結財務諸表上は企業結合上の「取得」に該当するため、連結(費用処理)と単体(取得原価)で会計処理が異なる。従って連結調整が必要となる点、留意が必要だ。

 
                                 税務通信平成25年10月7日号より










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