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少人数私募債と同族会社

 

 企業が資金調達をする手段として社債を発行することがある。特に中小企業は、社債の中でも「少人数私募債」を活用することが多いようだ。
 少人数私募債は@第三者へ譲渡される恐れが少ないもの、A50人未満の親族・従業員・取引先などの縁故者に対して発行されるもの、B発行総額が最低券面額の50倍未満であるもの等の条件に該当すればどのような会社でも発行できる社債だ。また、同族会社の経営者にとっては多くの場合、節税対策として活用することができるといったメリットもある。
 しかし、28年1月1日から節税策は使えなくなる。というのも、金融所得課税の一体化に伴い、25年度改正では、“公社債のうち「特定公社債」に該当しないもので、28年1月1日以後に同族会社が発行した公社債”(措法3@四)、26年度改正では“27年12月31日以前に同族会社が発行した公社債”の利子所得が分離課税から総合課税へ変更されたためだ(措法3@四、37の11A十四)。
 例えば、現在、少人数私募債を発行して社長から資金を調達した場合、社長の受け取った利子は源泉分離課税となり15%が課税される。一方、同族会社が社長個人から資金を調達し、それに係る利子を支払った場合、社長の受けた利子の所得区分は雑所得となり、年間の所得に合算されるため15以上の税率が課されることが多い(所法89@)。つまり、高額所得者になるほど超過累進課税率が源泉分離課税の税率を上回ることから、少人数私募債を活用したほうが有利になっているといえる。また、利子で受け取った金額分を役員報酬から減額することでさらなる総合課税の節税にもつながる。
 だが、来年からは前述したとおり発行時期に関係なく、全てが総合課税の対象となる。したがって、年間の所得が2,000万円の社長が利子として10万円を受け取っているケースでは、15%の税率ではなく40%の税率がかかることとなる。



                                 税務通信平成27年8月31日号より










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