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役員給与の損金算入規定                           

 

 平成18年度の改正によって大きく見直された税務上の役員給与の取扱いであるが、この改正によって、「法人税法上、役員給与は、原則が損金不算入」とされたわけではないということを改めて確認しておきたい。
 確かに法人税法第34号は、見出しが、「役員給与の損金不算入」であり、第1項の本文では、「定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与のいずれにも該当しないものの額は、損金に算入しない」としているのであるが、このような規定振りは、法人税法第22条の別段の定めを規定するための立法技術上の要請からくるものであり、役員給与は、その本質が損金不算入であると定めたものではないということだ。
 従来から、法人税法では、法人が支給する役員給与には、法人の利益の分配に該当する部分(損金不算入)と役員の職務執行の対価に該当する部分(損金算入)とが含まれているという考えが採られてきており、18年度の改正前規定では、支給される役員給与が「臨時的なものか否か」によって両者を区別していた。
 しかし、周知のとおり、会社法による利益処分手続の廃止等を契機として、会計上、役員賞与が費用処理されることとなったこと等を踏まえて、平成18年度の改正後は、支給される役員給与が「事前の定めによるものか否か」、すなわち、恣意性を一つのメルクマールとして損金算入の可否を区別することになったものだ。
 この点、現行の会計処理は、役員報酬・賞与はすべて費用に落ちることになるので、法人税法上、別段の定めがなければ全額損金算入ということになってしまう。そこで、法人税法上、一定のものについては、損金不算入とする場合は、その範囲や、損金不算入とする扱いを別段の定めによって規定することになるわけだ。
 したがって、役員給与の一部損金不算入が別段の定めで規定されたからといって原則、損金不算入だということではない。また、実態上も、役員給与の大宗が損金算入されており、その一部が不算入となっているにすぎないこととなる。このような別段の定めの規定は、他に「寄付金の損金不算入」(第37条)等の例がある。
 なお、もし、役員給与が、原則、損金不算入であるとすると、第34条の第2項以下で、改めて過大な役員給与や仮装・隠蔽による役員給与は損金不算入と規定するのも、不合理ということになってしまう。
 

     

            
                                 税務通信平成19年9月17日号より










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