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ラップ口座の税務上の取扱い                                             

 

 証券会社が、個人投資家向けの資産運用・管理サービスである『ラップ口座』の顧客拡大に向け力を入れている。
 一般的に、ラップ口座とは、証券会社等が個人投資家と投資一任契約を結んでから資産を預かり、顧客のおおまかな指示に基づいて株式・債券・投資信託などで資産運用するもの。資産売買のタイミングなどは証券会社等に一任されている。元々は富裕層向けのサービスだったが、近頃は最低契約額を1,000万円に引き下げる会社もあり、利用者は増加しているようだ。
 ところで、このラップ口座を利用することで利益又は損失を得た場合、税務上はどのような取扱いとなるのだろうか。
 この点については、各社が提供するラップ口座の内容がまちまちであることなどから、一律にこの所得に区分するしかないというような明確な取扱いはない。しかし、実際のところは、上場株式等の保有期間が1年以下であるかを見る“形式基準”と営利を目的として継続的に取引されているかをみる“実質基準”の両方の要件を満たしているか否かをポイントに、取引の実態を見て判断されることとなる(措通37の10-2)。
 例えば、10月6日に公表された文書回答事例「投資一任口座における株取引の税務上の取扱いについて」をみると、この投資一任口座(ラップ口座)では、投資一任契約が結ばれていることを前提に、契約期間である1年以内に、上場株式の売買を繰り返して利益を得ることを目的としていることなどから、上記の形式基準と実質基準のいずれの要件も満たしていると認められる。したがって、この口座における取引で生じる利益又は損失は、事業所得又は雑所得に区分されることとなり、、また、顧客が証券会社に支払う成功報酬は必要経費として認められることとなる。
 ただし、ラップ口座とは称しているものの、その実態が文書回答事例で示されたものとは大きく異なるようなものについては、その実態に応じて譲渡所得などに区分されることもあるので、申告の際にはくれぐれも留意されたい。                                       

                                          税務通信平成18年11月13日号より

 


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