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専業主婦と上場株式等の配当所得

 

 最近はインターネット取引を通じて上場株式の配当を手にする専業主婦が珍しくない。証券会社の源泉徴収選択口座内で上場株式等の配当等を受ける場合は申告不要だが(措法8の5)、確定申告をすることにより、他の口座内の上場株式等の譲渡損失と損益通算等を行う場合には、夫の配偶者控除の適用にあたり影響が出ることがある。
 平成20年度税制改正で21年1月1日以後に支払いを受けるべき上場株式等の配当等は、配当控除の適用が可能な総合課税のほかに申告分離課税を選択でき(措法8の4)、申告分離課税(配当控除なし)を選んだ上場株式等の配当等について、22年以後は特定口座のうち源泉徴収選択口座内で上場株式等の譲渡損失との損益通算が可能(措法37の12の2@)。しかし、異なる源泉徴収選択口座間で損益通算等を行う場合は申告を要する。
 例えば、専業主婦のA証券の同口座内で平成24年分の上場株式等に係る配当等が40万円あり、B証券の同口座内に平成24年分の譲渡損失10万円がある場合は、確定申告により損益通算後の配当所得は30万円となり、配当支払い時に源泉徴収された軽減税率10%相当4万円のうち1万円が還付される。
 ただし、同じ10万円の損失でもB証券の同口座内にあるのが前年以前3年内の譲渡損失10万円の場合には違いがある。前年以前3年内の譲渡損失を確定申告で繰越控除する場合も、配当所得は同様に30万円となるが、配当所得以外に他の所得がない専業主婦の合計所得金額は40万円となる。
 つまり、専業主婦の合計所得金額の計算に当たり、申告分離を選んだ上場株式等の配当等について、上場株式等に係る譲渡損失との損益通算を適用する場合は「適用後」の金額となるが、上場株式等に係る譲渡損失との繰越控除を適用する場合は「適用前」の金額となる違いがある。
 上記の繰越控除の例では、夫が配偶者控除を適用できる38万円以下の所得要件を満たさず、配偶者控除を適用できなくなる。配当所得の申告が不要な源泉徴収選択口座で上場株式等の配当等に係る軽減税率10%相当の4万円の源泉徴収で済ませた方が有利といえるだろう。
 専業主婦が確定申告を行う場合には、夫の配偶者控除への影響のほか、国民健康保険料への影響が出るケースもある。源泉徴収選択口座内の上場株式等の配当等については、上記のような申告による影響も考慮しておきたい。

           

 
                                 税務通信平成25年3月4日号より










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