給与等に係る源泉所得税は、原則として当月分を翌月10月までに納付しなければ、不納付加算税の対象となる。ただし、法定納期限までに納付する意思があったと認められる一定の場合には、法定納期限から1か月を経過する日までの納付について、不納付加算税の不適用措置が設けられている(通法67B)。
法定納期限までに納付の意思があったと認められる場合とは、法定納期限の属する月の前月末日から1年前の日までの間に法定納期限が到来する源泉所得税について、次の@
、Aの両方に該当する場合をいう(通令27の2A)。@納税の告知を受けたことがない場合 A納税の告知を受けることなく法定納期限後に納付された事実がない場合
@、Aのいずれにも該当すれば、期限内納付がなかった理由を問わず、法定納期限から1か月を経過する日までに納付することで、不納付加算税は課されない。毎月期限までの納付を続けている源泉徴収義務者について、偶発的に納付が遅れてしまった場合には、1か月に限り宥恕する趣旨だという。
例えば、従業員の令和3年1月分の給与に係る源泉所得税について、法定納期限である2月10日までの納付を忘れてしまった場合、令和2年1月31日から令和3年1月31日までの間に法定納期限が到来する源泉所得税について、前記@、Aの要件を満たして、令和3年3月10日までに納付すれば、不納付加算税は課されない。また、その後期限内納付を続けていたが、令和4年3月分の給与について再度期限内納付を忘れてしまった場合には、令和3年3月31日から令和4年3月31日までの間に法定納期限が到来する源泉所得税について、前記@、Aの両方を満たして、令和4年5月10日までに納付すれば、不納付加算税は課されない。
税務通信令和3年2月1日号より
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