令和2年分の所得税から、基礎控除の控除額の10万円引上げとともに所得制限が設けられた。従業員等の合計所得金額の見積誤りについて不納付加算税等の取扱いが気になる源泉徴収義務者もいるだろう。
源泉徴収等による国税がその法定申告期限までに完納されなかった場合には、税務署長等は納税者から納税の告知に係る税額等の法定納期限後に、その告知を受けることなく納付された税額に10%を乗じた金額に相当する不納付加算税を徴収する。ただし、正当な理由があると認められる場合には、この限りでないとされる(通法67@)。
現行の事務運営指針では、正当な理由があると認められる場合について「給与所得者の扶養控除等申告書…(略)…保険料控除等申告書等に基づいてした控除が過大であった場合において、これらの申告書に基づき控除したことにつき源泉徴収義務者の責めに帰すべき事由があると認められないとき」を明示している(源泉所得税及び復興特別所得税の不納付加算税の取扱い1(2))。
ここで、令和2年分から従業員等から提出を受ける「給与所得者の基礎控除申告書」と「
所得金額調整控除申告書」は明記されていないが、事務運営指針に記載された申告書は、あくまで「例示」であり、両申告書についても保険料控除申告書等の「等」に含まれているとのこと(3574・7貢)。したがって、源泉徴収義務者が「基礎控除申告書」等に基づいてした控除について、源泉徴収義務者の責めに帰すべき事由があると認められないときは、正当な理由があると認められる場合として、基本的に不納付加算税は “不明” とされる。
なお、申告書に記載する合計所得金額については、従業員等が給与所得者の基礎控除申告書等を提出する日の現況により見積もった合計所得金額により判断する(所基通195の3-1等)。
税務通信令和3年2月8日号より
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