令和2年分の所得税の確定申告が始まる。ドラッグストア等で購入した特定一般用医薬品等購入費はセルフメディケーション税制の対象だが、同年分から医療費控除と同様に明細書の添付がなければ適用できなくなる点に留意したい。
平成28年度税制改正で導入されたセルフメディケーション税制は、医療費控除との選択適用である(措法41の17)。平成29年分から令和元年分までの各年分の確定申告では、経過措置として、領収書等の添付又は提示により、同特例を適用することができたが(平成29年改正法附則58)、経過措置が終了したことから、令和2年分以降は、明細書の添付がなければ適用を受けられなくなる。
セルフメディケーション税制の明細書は、@申告する方の健康の保持増進及び疾病の予防への取組、A特定一般用医薬品等購入費の明細、B控除額の計算で構成される。支払先から受領したレシート等を基に、薬局等の支払先の名称や医薬品の名称、支払った金額、支払った金額のうち生命保険や社会保険から補填される金額のを記載する必要がある。同税制の対象商品は、レシートに例えば「★」等の印が付されているが、厚生労働省HPでは、ドラッグストアが対象外の商品に印をつけた「レシートの表示誤り」を掲載しているので、誤って対象外の商品を適用しないようにしたい。
明細書の記載内容の確認のため、明細書に記載した特定一般用医薬品等について、確定申告期限の翌日から起算して5年を経過する日までの間は、所轄税務署長から領収書の提示又は提出を求められる場合があるので、自宅等で領収書等を保管する必要がある。
なお、令和3年度税制改正では、対象となる医薬品を効果的なものに重点化し、手続きの簡素化を図った上で、適用期限を5年延長するとしている。
税務通信令和3年2月15日号より
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