4月1日から7年半ぶりに消費税の「総額表示」が再開する。店頭の商品の値札だけでなく、商品を紹介するカタログ等も総額表示の対象だが、値段の表記を変えるためだけに店頭に並んでいるカタログを必ずしも刷り直す必要はなく、様々な形での対応が認められる。
総額表示は、消費者に商品の販売やサービスの提供を行う場合に、値札やチラシ等であらかじめ消費税額を含めた税込価格を表示しること(消法63)。平成25年10月1日から令和3年3月31日までの間は、表示する価格が税込価格と誤認されないための措置を講じていれば総額表示を要しないが(消費税転嫁対策特別措置法10)、同日をもって同法は失効するため、4月1日から再び総額表示が必要となる。
総額表示のポイントは、消費者が商品の税込価格を一目で分かるようにすることだ。店頭に並ぶカタログ等の印刷物に商品の税抜価格のみが表示されている場合、例えば、カタログに「税込価格を表示したカード等を挟み込む」などの方法で、税込価額が一目で分かるようにされていれば、カタログそのものを再度印刷する必要はない。もっとも、消費者の利便性に鑑みれば、一時的にはカード等で対応するにしても、なるべく早めにカタログを税込価格の表示に変更することが望ましいといえるだろう。
なお、ウェブサイトに電子カタログを掲載している場合、4月1日以降はその電子カタログの商品の対価を税込価格の表示に変える対応が必要と考えられる。
税務通信令和3年3月29日号より
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