8月8日に閉会した東京オリンピックでは、日本人選手によるメダル獲得数が金メダル27個、銀メダル14個、銅メダル17個の合計58個となり、過去最多を記録した。メダリストに対して公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)から支払われる報奨金は非課税となる。
JOCでは、オリンピックメダリストへの報奨金として金は500万円、銀は200万円、銅は100万円、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会(JPSA)では、パラリンピックメダリストに対し金は300万円、銀は200万円、銅は100万円を支払うこととしている。一般的な報奨金が所得税の課税対象となる一方で、これらJOCやJPSAから支払われる報奨金は、所得税法上、金額が非課税とされている(所法9@十四、所令28)。
JOCに加盟している各競技団体から支払われる報奨金についても一定額までが非課税とされる。令和2年度改正では、オリンピック金メダリストへの非課税限度額が300万円から500万円に引き上げられるとともに、JPSAに加盟している各競技団体から支払われる報奨金についても新たに非課税措置が設けられた。これにより、今回の東京五輪から、各加盟競技団体から支払われる報奨金の非課税限度額は、金は500万円、銀は200万円、銅は100万円とオリンピック・パラリンピック共通となった(平成22年財務省告示第102号)。
一般の企業等から報奨金が支給されることもあるが、この場合は原則として課税対象となる。勤務先の所属企業から支給された報奨金については、給与所得として源泉徴収が必要だ(所法28)。アマチュア選手がメダル獲得のお祝い等として勤務先以外の企業や自治体等から報奨金を受け取るような場合は、一時所得に該当する(所法34)。
税務通信令和3年8月23日号より
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