千葉県千葉市中央区税理士・公認会計士。コラム
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付加価値割とインボイス対応

 

     

 税抜経理により免税事業者等から課税仕入れを行う場合は、原則、その課税仕入れに係る仮払消費税等の額はないため、経理上、その金額があっても取引の対価の額に含めることとなる(No.3785)。法人税法の交際費等の額が一例で、地方税法の付加価値割を構成する収益配分額も同様だが、会計時に対価の額に含めないままだと、付加価値割の算定で対価の額への取込みを失念する可能性がある。
 インボイス発行事業者以外の者から課税仕入れを行った場合は原則、その課税仕入れに係る消費税等の額はないことになる。そのため、事業者は税抜経理の際、消費税額とみなされない額を対価の額に含める必要がある(「消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて」14の2)。
 こうした消費税額とみなされない額の取扱いは地方税も同様だ。総務省による令和5年4月1日付の自治体向けの通知では、税抜経理をしている場合であっても、その取引の対価の額と区分して経理した消費税等に相当する額を収益配分額に含めるとしている(「地方税法の施行に関する取扱いについて(道府県税関係)の一部改正について(令和5年総税都第10号)」4の1の3)。
 例えば、法人が免税事業者等からの課税仕入れ(駐車場代110万円)につき、仕訳で借方に支払賃借料100万円、仮払消費税等10万円と処理したとする。仕入税額相当額の一定割合を控除する経過措置(80%等控除)を適用した場合、制度開始後3年間は、消費税額とみなされない額(2万円)を含めた102万円が付加価値割の課税標準となる。
 だが、期末に消費税額とみなされない額を雑損失や租税公課に振り替えていた場合は、損益計算書の支払賃借料に2万円が含まれないため、付加価値割の算定時に課税標準を100万円とする計算ミスが生じる可能性がある。対価の額に含める点を失念しないようにしたい。
   

 
 


税務通信令和6年5月6日号より










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