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外貨建預金による株式等購入

 

    

 円安基調が続く中、円相場が一時1ドル=152円台になるなど不安定な状態が続いている。居住者(事業所得者に該当しない者)が、外貨建預金を払い出して株式等の資産を購入した場合、株式等の購入価額の円換算額とその購入に充てた外国通貨を取得した時の為替レートにより円換算した金額との差額を「雑所得」として申告する必要がある点に注意が必要だ。
 所得税法では、居住者が外貨建取引を行った場合には、その外貨建取引を行った時における外国為替の売買相場により換算した金額により、各年分の各種所得の金額を計算するものとしている(所法57の3@)。外貨建預金をもって資産を購入した場合には、新たな経済的価値(その購入時点における評価額)を持った資産が外部から流入したことにより、それまでは評価差額にすぎなかった為替差損益に相当するものが、収入すべき金額として実現したものと考えられるためだ(国税庁質疑応答事例「預け入れていた外貨建預貯金を払い出して貸付用の建物を購入した場合の為替差損益の取扱い」)。
 例えば、米ドル建で預け入れていた預金(預入時のレート1ドル=100円、払出時のレート1ドル=160円)を払い出し、10万ドルで米国株式を購入した場合、株式の購入時点で預金に係る為替差益600万円(=(160円−100円)/$×10万$)を所得として認識する必要がある。
 なお、保有する外国通貨を他の外国通貨に交換した場合も同様だ。円から米ドルに交換した後に他の外貨に交換した場合、他の外貨への交換時に、その外貨の額を交換時の為替レートにより円換算した金額と、当初の円から米ドルへの交換時の為替レートにより円換算した金額との差額を所得として認識することになる。
     

 
 


税務通信令和6年7月29日号より










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