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扶養親族の所属の変更

 

    

 所得税の定額減税について、共働き夫婦のいずれか一方が定額減税の対象外となる高額所得者に該当する場合等では、扶養親族の所属を高額所得者から配偶者に変更することができる。扶養親族の所属の変更により、配偶者側で扶養親族分の定額減税を受けられるが、“扶養控除”との関係には注意が必要となる。
 所得税の定額減税では、令和6年分の合計所得金額が1,805万円超の高額所得者は対象外とされており、その高額所得者の同一生計配偶者と扶養親族についても減税の対象外となる(措法41の3の3等)。夫婦ともに給与所得者の共働き世帯に扶養親族がいる場合、夫婦いずれの扶養親族とするかは、令和6年分に係る扶養控除等申告書等の記載で判定する。所属が決定した後でも、その所属の異なる記載をした申告書等を提出することで、当初決定した所属を変更することも可能だ(措令26の4の3A)。
 そのため、定額減税の対象外となる高額所得者の所属としていた扶養親族について、夫婦両方が扶養控除等異動申告書を提出して配偶者の扶養親族に所属を変更した場合には、配偶者側で扶養親族分の定額減税の恩恵を受けることもできる(No.3802)。ただし、その扶養親族が16歳以上の場合等では、控除対象扶養親族等として扶養控除の適用対象となるため、所得税率の高い高額所得者の扶養親族としている方が税務メリットが大きいケースが多くなる。
 例えば、控除対象扶養親族が1人いる共働き夫婦のいずれか一方が高額所得者の場合、高額所得者(所得税率40%の場合)の控除対象扶養親族としているケースでは、扶養控除の適用で15万2,000円(38万円×40%)の所得税額が軽減される一方で、配偶者(所得税率10%の場合)の控除対象扶養親族としているケースでは、3万8,000円(38万円×10%)が軽減される。高額所得者側で扶養控除を適用したケースの方が、所得税額が11万4,000円多く軽減されることになる。
       

 
 


税務通信令和6年8月26日号より










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