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外形標準課税の報酬給与額と通勤手当

 

    

 リモートワークの普及により、新幹線通勤を認めるなど、従業員に支給する通勤手当の上限を無くす企業が増えている。各従業員への支給額が非課税限度額の月額15万円(交通機関利用時)を超える場合、超過部分のうち消費税等相当額を除いた金額を、外形標準課税における「報酬給与額」に含めなければならない。
 報酬給与額とは、外形標準課税の付加価値割額の計算の基礎となる収益配分額に含まれるもの。原則として、法人税で損金に算入され、所得税法上の給与所得や退職所得に該当するものが報酬給与額に該当する(地法72の15@等)。
 所得税法上、会社が各従業員に支給する通勤手当については、月額15万円まで非課税とされており、15万円を超えた部分の金額については、給与所得の対象となる(所法9@五、所令20の2)。そのため、報酬給与額には、給与所得の対象となる非課税限度額の超過部分についてのみを含めて算定する。
 ただし、報酬給与額の計算に当たっては、消費税等相当額を除いた金額を基礎とすることとされているため、非課税限度額の超過部分に消費税等が含まれる場合は、消費税等相当額以外の額を報酬給与額に含めることになる(取扱通知(道府県民税)第3章4の1の3)。
 例えば、X社が従業員Aに対して支給した1か月の通勤手当の合計額が18万3,000円であった場合、非課税限度額内の15万円は所得税法上、非課税となるので報酬給与額に含まない。一方、非課税限度額を超過した3万3,000円については、給与所得に該当するところ、消費税等相当額3,000円が含まれている場合は、3,000円を除いた3万円を報酬給与額に含めることになる。
 なお、外形標準課税については、令和6年度改正で対象法人の見直しが行われた(No.3812)。令和7年4月1日以後、新たに外形標準課税の対象となる法人は、改めて報酬給与額等の計算方法を確認しておきたい。
       

 
 


税務通信令和6年9月30日号より










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