法務省が行う休眠会社等の整理作業では、一定の場合に休眠会社等が解散したものとみなされる(以下、みなし解散)。法人税法上は解散の日から2か月以内に申告手続きが必要で、法定申告期限を徒過した場合は青色申告の取消事由に該当する。ただ、必ず承認が取り消されるわけではなく、事務運営指針では緩和的な扱いが示されている。
休眠会社等の整理作業とは、法務大臣による毎年10月の官報公告から2か月以内に必要な登記がなされず、事業を廃止していない旨の届出もされないときは、対象法人の“みなし解散”の登記を行うもの(会社法472)。最後の登記から12年経過の株式会社、最後の登記から5年経過の一般社団・財団法人が対象となる。令和6年度は12月10日までに届出がなければ、同年12月11日付で休眠会社等はみなし解散となる。
法人税法上、青色申告の承認の取消事由の一つに「申告期限内に提出しなかったこと」(法法127@四)がある。所轄税務署長が各取消事由に該当する場合に“その承認を取り消すことができる”とされ、その判断は所轄税務署長の裁量に委ねられるものの、個々の事情によっては、承認が取り消されないケースもあるようだ。
ただ、期限後申告や無申告については、「法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」(平成12年課法2−10等)で、法人税法127条1項4号の規定につき、2事業年度連続して申告期限内に提出がない場合は、当該2事業年度目の事業年度以後の事業年度について、その承認を取り消すとしている。所轄税務署長が形式的に判断して取り扱う点がポイントだ。
事務運営指針には個別的な取扱いもあり、役員その他相当の権限を有する地位に就いている者が知り得なかったこともやむを得ないと認められるなど特別な事情があり、再発防止など今後の適正な記帳及び申告が期待できる場合は、その事案に応じた処理が行われるという。
税務通信令和6年11月18日号より
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