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税負担の公平性を確保するため、令和7年分以後の所得税から高所得者層に対して「特定の基準所得金額の課税の特例」が適用される。同特例の課税標準となる「基準所得金額」とは、その年分の所得税について確定申告不要制度を適用しないで計算した合計所得金額をいい、扶養控除や配偶者特別控除の所得要件等を判定する「合計所得金額」とは異なる。
令和5年度改正で創設された同特例では、個人のその年分の基準所得金額が3.3億円を超えるものについては、当該超える部分の金額の22.5%に相当する金額からその年分の基準所得税額を控除した金額に相当する所得税が課される(措法41の19@)。ここでいう基準所得金額は、総所得金額及び分離課税の各種所得金額を合計した額(その年分の所得税について適用する特別控除額を控除した後の額)とされる(措法41の19A一)。
具体的には、通常の所得金額の合計を基礎としながら、確定申告を要しない上場株式等に係る配当所得の金額及び上場株式等に係る譲渡所得等の金額(源泉徴収ありの特定口座に係る所得金額)を加算することとなる(措法8の5、37の11の5、41の19A等)。ただし、源泉分離課税の対象となる所得金額(NISA制度に係る譲渡所得、エンジェル税制に係る非課税所得、預貯金等からの利子所得など)は含まない(措法41の19A)。
一方、扶養控除等の所得要件等に係る合計所得金額とは、事業所得、不動産所得、給与所得、総合課税の利子所得・配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額(損益通算後の金額)に、総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額(損益通算後の金額)の2分の1の金額、退職所得や山林所得の金額を加算した額をいう(所法22)。
税務通信令和7年8月4日号より
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