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給付付き税額控除

 

    

 自民・公明・立憲民主の3党が制度の導入に向けて議論を始めた「給付付き税額控除」(3869)。同制度は、所得税の税額控除と現金給付を組み合わせた仕組みで、欧米では広く導入されている。中低所得者層に現金給付という直接的な支援を行う同制度では、低所得者ほど負担感が増すとされる消費税の逆進性を緩和する効果が期待されている。
 日本では、平成21年度自民党税制改正大綱(平成20年12月12日)に「給付付き税額控除の検討」の文言が盛り込まれ、税制改正法に「給付付き税額控除(給付と税額控除を適切に組み合わせて行う仕組みその他これに準ずるものをいう)の検討」が明記された(平成21年改正法附則104B一)。平成24年8月に成立した税制抜本改革法でも同制度等の導入の検討が盛り込まれたが(税制抜本改革法7−イ)、具体的な制度設計には至っていない。
 当時の政府税制調査会の資料(第13回専門家委員会平成24年5月28日)によれば、同制度の導入の目的や仕組みは国によって異なる。例えば、アメリカは就労促進を目的に「給付額についてまず税額から控除し、控除しきれない額を給付する」、ドイツは「低所得者に給付を行い、中高所得者には税負担軽減を行う給付又は税負担軽減のいずれか一方を適用する」、カナダは子育て支援等として「基本的に全額給付だが、所得が一定額を超えると減額する」といった仕組みが挙げられた。
 同制度の導入には、給付等の要件となる個人の所得等を正確に把握することが重要とされる。平成28年にマイナンバー制度が導入されたが、預貯金口座へのマイナンバーの付番は義務付けられていない。過誤なくスムーズな給付を実現する政府の体制整備も肝要となろう。アメリカなどでは過去に過誤・不正受給の例があった。
 なお、立憲民主党は令和5年の第211回国会に「消費税の逆進性を緩和するための給付付き税額控除の導入等に関する法律案」を提出したが、令和6年の第214回国会で「審査未了」となっている。
   

 
 


税務通信令和7年10月6日号より










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