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インボイス発行事業者として申告した個人事業者のうち、約4割にあたる81万1,000人が適用した2割特例(No3853)。令和7年分消費税の確定申告においても、多くの事業者の適用が見込まれるが、同特例の「制限」の適用関係に改めて注意したい。
2割特例は、インボイス制度導入を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった者の負担軽減を目的として設けられた措置のため、インボイス制度に関係なく課税事業者となる期間は2割特例の適用が制限されている(平成28年改正法附則51の2)。
特に気をつけたいのが、「課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者となった課税期間の初日から2年以内に、一般課税で税抜100万円以上の資産(調整対象固定資産)の仕入れ等を行ったケース。調整対象固定資産の仕入れ等を行った課税期間の初日から3年を経過する日までの課税期間は、一般課税が強制され、簡易課税制度の選択や免税事業者に戻ることができないとともに、2割特例も適用できない(消法9F)。
一方で、免税事業者に係る登録の経過措置(平成28年改正法附則44C)の適用を受けてインボイス発行事業者(課税事業者)となった者は、「課税事業者選択届出書」を提出していないことにより、消費税法9条7項の要件には該当しない。そのため、調整対象固定資産の仕入れ等を行ったことによる制限の対象外となる。
例えば、免税事業者だった個人事業者が令和 6年1月1日にインボイス発行事業者として登録を受け、令和6年中に、一般課税で調整対象固定資産の仕入れ等を行ったとする。登録の際に「登録申請書」のみを提出した場合は、令和7年分において2割特例を適用できる。他方で、「課税事業者選択届出書」及び「登録申請書」を提出した場合には、令和7年分において一般課税が強制されるため、2割特例を適用できない。
税務通信令和7年12月8日号より
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